耳の症状から可能性のある病気
耳の症状について
耳の病気には様々なものがあって、その症状も多種多様です。その中でも、代表的な症状について幾つかご紹介します。
◆耳の痛み
耳の痛みを引き起こすものとしては、外耳道炎や中耳炎といった炎症性の病気が考えられます。
これらは、真菌や細菌、それからウイルスなどに感染することによって発症します。特に、抗生物質に効果がない薬剤耐性菌などには注意が必要です。
こうした耐性菌が原因で発症する急性中耳炎では、重症化することも少なくなく、耳の痛みという症状には長期的に苦しめられることとなります。
◆耳漏れ
耳漏れというのは、一種の膿のようなものです。
耳漏れの中には、耳垢や細菌、それから白血球の死骸などが含まれています。
つまり、体が異物に対して免疫で応答した副産物として、耳漏れが出てくるのです。 ですので、耳漏れは化膿性中耳炎などでよく見られる症状と言えます。
真珠腫性中耳炎の場合は、これに破壊された骨の成分なども含まれており、悪臭を放つことがあります。
また、耳漏れというのは、放置しておくとその他の病気を引き起こす原因となるため、早めに除去する必要があります。
◆難聴
耳の病気の症状の中でも、重症とも言えるのが難聴です。
これが一過性のものであれば、治療によって聴力が回復するため、それほど心配する必要はありません。
けれども、耳の病気では、失われた聴力が回復しないケースも少なくありません。
そうした場合は、いかに難聴と付き合っていくか、ということが重要になってきます。
耳の治療法
冒頭でも書いた通り、外耳道炎や中耳炎、それから乳様突起炎といった炎症性の病気であれば、原因となっている細菌を特定し、抗菌薬によって治療を行っていきます。
腫瘍性の病変となると、外科的処置が必要となります。
オペを行い、腫瘍となっている部分を切除することで、治療を行います。 こうすることで、多くのケースで術後、聴力等の回復が見込めます。
何らかの原因で鼓膜に穴があいてしまった場合には、その原因を取り除いた上で、鼓膜が自然に塞がるのを待ちます。 それでも治癒しない場合は、鼓膜を作る手術を行います。
最後に難聴についてですが、こちらはそれぞれの病態によって、治療法もかなり異なってきます。
難聴の原因が滲出液であるならば、それを排泄して、回復をはかります。
自己免疫疾患が原因の難聴であれば、ステロイドなどを活用して治療を進めていきます。
そして、難聴の中には治療の手立てがないものもあり、そうしたケースでは、いかに聴力を専用の器具などを用いて補っていくかが課題となります。
最近の傾向
近年、日本人には突発性難聴を発症する人が増えてきています。
歌手やタレントの中にも、この突発性難聴を発症している人が出てきているので、ご存知の方も多いかと思います。
この突発性難聴というのは、文字通り、前触れなく起こります。 ですので、気づきやすいと言えば気づきやすいのかもしれません。
この突発性難聴で大事なのは、早期に治療を行うことです。 ですので、身の回りの人でこうした症状が出ている場合は、すぐに診察を受けることを勧めてあげましょう。